乳がんと聞くと、ほとんどの人が女性を思い浮かべます。けれども男性にも乳腺組織があり、男性も乳がんになることがあります。まれですが、現実のことです。
ピンクリボン月間の今月は、深刻になりすぎず、シンプルにこの話をしてみましょう。そして、その後のこと、つまり傷あと、胸、乳頭のことにも目を向けてみます。
まれだけれど、確かにあるがん
乳がんのおよそ1 %は男性に起こります。この小さな数字には裏側があります。あまり知られていない病気なので、多くの男性は心配しようと思わず、受診が遅れがちなのです。
男性向けの組織的な検診はありません。だからこそ、サインを知り、放っておかないことがいちばんの備えになります。
受診のきっかけになるサイン
男性の乳房は小さく、乳腺は乳頭のすぐ裏にあります。変化はその場所で気づくことが多いです。
- 乳頭の下やまわりのしこり(多くは痛みがありません)
- 乳頭が引っ込む、へこむ、見た目が変わる
- 分泌物が出る(血が混じることもあります)
- 皮膚が赤くなる、厚くなる、小さな傷ができる
- わきの下のリンパ節が腫れる
ほとんどの場合、がんではありません。それでも、恥ずかしがらず、待たずに医師の予約をとる十分な理由になります。
リスクが高いのはどんな人?
女性と同じく、リスクは年齢とともに高まります。家族に乳がんや卵巣がんの人がいることや、BRCA2遺伝子の変異などの遺伝的な素因も関係します。当てはまる場合は、医師が遺伝カウンセリングを紹介してくれることがあります。
リスク因子があるからといって、病気になるわけではありません。気をつけておくための役に立つ情報、というだけです。
乳房切除のあと:自分の胸と、もう一度なじむ
男性の治療では乳房切除術が行われることが多く、たいていは乳頭と乳輪も切除されます。胸は平らなままですが、以前とまったく同じではありません。傷あとがあり、乳頭がひとつ少なくなることも多いのです。
ある人にとっては、ささいなことかもしれません。別の人にとっては、プールや海、更衣室、親密な時間、あるいはただ鏡の前で、本当に気になることです。どちらの気持ちも自然なものです。がんのあとの自分の体との付き合い方に、正解も不正解もありません。
乳頭はどうする?
道はいくつもあり、急いで決める必要はありません。乳頭の再建手術については、外科のチームが選択肢を説明してくれます。新たな手術を避けたい方や、それまでのあいだの方法がほしい方には、医療用シリコーン製の乳頭プロテーゼという、手術のいらないやさしい選択肢もあります。
医療用接着剤で貼り、好きなときに外せて、水や汗にも強いのが特長です。男性の胸に合わせるための目安をいくつか挙げます。
- サイズ:プレタポルテ・コレクションは直径3 cmからの6サイズ。ご希望の寸法での製作も承ります。
- 高さ(突出):2 mm、3 mm、4 mmから選べます。平らな胸には、控えめな高さから始めるのがおすすめです。
- 色:明るい色から深い色まで14色。肌の色に合わせて選べます。
- オーダーメイド:反対側の乳頭が残っていれば、型をとってそっくりに再現し、自然な左右対称を目指せます。
話してみる勇気
「女性のがん」だと思って、口にするのをためらう男性はたくさんいます。けれども医療チームはこの病気をよく知っていますし、患者会も誰にでも開かれています。身近な人、医師、同じ経験をした人に話すだけで、ずいぶん気持ちが軽くなることがよくあります。
私たちのラボでは、女性の患者さんも男性の患者さんもお手伝いしています。悩みは同じ、寄り添う気持ちも同じです。
まとめ
男性乳がんはまれですが、確かに存在します。しこりや乳頭の変化に気づいたら、医師に見てもらいましょう。そして乳房切除のあと、乳頭も含めて自分の胸をケアすることは、まったく自然な選択です。ご質問があれば、お気軽にご連絡ください。そのために私たちがいます。
